8月に行った「安渡子どもまつり」に続き、「安渡地区での高校生グループと広尾高校生と交流プロジェクト」の第2弾を10月28~30日に行いました。今回は、広尾高校生6名を含む18名が東京から大槌町を訪れました。
恵比寿を22時に出発し、高速道で3カ所の休憩、道の駅「遠野風の丘」で朝食・休憩をとり、8月同様、釜石市街から大槌町には8時に到着しました。10時30分まで、地元の方に同乗してもらい、甚大な被害に見舞われた大槌町を解説してもらいながら、町内を巡ることを行いました。現地での調整を行っていただいた「おらが大槌夢広場創造委員会(以下:おらが)」代表阿部さん、副代表の岩間さん、大槌高校3年生の沢田さんとお会いし、岩間さん、沢田さんに同乗していただくことになりました。
最初に訪れたのは赤浜地区。マスコミで多く報じられた民宿の上に遊覧船が乗った光景。既に遊覧船は取り除かれていましたが、時間が経過し、地元の方々の声として、震災を記憶に残すモニュメントして残そうという意見もあるそうです。周囲の建造物がなくなるなか、白い壁の建物、さらにいまだに撤去されずに残っている漁船が津波の威力を感じさせます。
次に訪れたのが、東京大学海洋研究所国際沿岸海洋研究センターです。目の前には大槌湾、ひょっこりひょうたん島のモデルになった蓬莱島が近くに見えます。防波堤が所々で崩壊し、海が間近に見えます。しかし今この場で見る海の穏やかさ、きらきらと朝の日に輝いていました。後ろを振り返ると建物の3階まで津波が達し、2階までは窓枠しかありません。一瞬にして全てのものを飲み込んでいったのが津波であることをまざまざと見せつけられた感じでした。
そして、次に向かったのは城山公園。大槌町が一望できる高台に行きました。高台から見渡してみると、残っている建物が少ないことを感じます。岩間さんによると、津波の影響は、地域によって異なるそうです。特に大槌では火災が発生したことで、木造建築物は焼けてしまい、何も残っていない印象になるとおっしゃっていました。火災はプロパンガスが原因と見られているそうです。沢田さんは避難所での生活、大槌高校での支援を行った経験を語ってくれました。食糧が足りなくて、おにぎりを分け合ったことなど・・・。
最後に、津波で持ち主がわからなくなった写真を集めた写真展会場を訪れました。地区ごとであったり、写真の内容ごとであったり、ボランティアの方々のご努力と、持ち主に戻してあげたいという気持ちが伝わります。多くの写真が残されていることを知りました。手にとって写真を見てみると、それぞれの幸せを感じさせる1枚があり、なんともいえないむなしい気持ちになりました。
大槌町の状況を知り、安渡小学校に戻るバスの中は意気消沈気味でした。しかしながら、それぞれがこの現実を受け止めるための時間だったと思います。岩間さん、沢田さんまだまだ話しにくいこともあったと思いますが、率直に今感じていることを語っていただきました、ありがとうございました。
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ピアサポーター・ユースワーカー・現地調査担当
石川 隆博(Profile)
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