大槌だより 2014年3月21日~23日
2014年3/21~23の日程で、大槌町を訪れてきました。
東京から高校生や若者を中心に21名で、夜10時に東京恵比寿を出発しました。
今回は、これまで、避難所その後サロン活動の拠点として利用していた旧安渡小学校の解体工事が来年度から予定されているため、平成28年まで活動が再開でいきない状況もあって行ったイベントでした。
寒波の影響で、東北地方太平洋岸を襲った大雪が残る中、大槌到着後、翔君(大槌青年協力隊代表)のガイドで大槌町を巡り、急きょ、降り積もった仮設住宅にある水道メーターや凍結防止のための水道栓を掘り起こす作業を2時間行いました。
地元の方と一緒に若者たちがフル回転で、マンパワーをいかし、雪を取り除き、飴やコーヒーの差し入れもあり、ありがとうと声をかけていただきました。
その間、参加した女性陣を中心に地元の婦人会の方々とともに、鱈汁やおにぎりづくりを行い、地域に暮らす方々との昼食会、交流会を行いました。
私たちが地元から期待されているのは、”心のボランティア”です。
お年寄りと食事やお茶を飲みながら、お話しをすることです。訪れるボランティアの数も減り、お年寄りは外から来る人が持つ情報に関心があるとのことでした。思いがけない雪かきは、とても好評でしたが、作業に一生懸命になり過ぎて、会話には至らず、心のボランティアというと?でした。
どちらも他者の役に立つことに変わりはないのですが、活動する側の達成感には大きな違いがあります。目に見えること、目に見えないこと。より目に見えないことへの価値が理解されにくくなっているなかで、参加者にどう理解してもらうかが思案のしどころです。
今回、オブザーバーとして、行政と地区の方々が意見交換を行うまちづくり懇談会にも参加させていただきました。住み慣れた地で1日でも早く住宅建設を行いたい住民(90才以上の方が3名いるそうです)、地権者と交渉に難航する法律の壁に、互いに一刻も早い計画実施を目指しながらも、かみ合わない議論。むなしく時間が過ぎている感じがしました。
旧安渡小学校、仮設暮らす皆さんとわかれて、大槌町の台所ショッピングセンターマストや北小学校福幸きらり仮設商店街でのショッピングで、大槌特産品などのお土産品をご購入いただきました。
大槌青年協力隊を交えての夕食会を、地元でいち早く営業を再開した際に、手作り屋台がグッドデザイン賞を受賞したみかドンさんで行いました。地元の海の幸を中心に、若者のお腹をつかむ揚げ物などもメニューもあって、お腹を満たしました。
また店主の浩美さん、みかさんから震災当時のお話しも伺うことができました。
宿泊は、大人と若者に分かれて、それぞれに長い夜を過ごしました。(写真はみんなで寄せ書きをしているところ)
大人が宿泊したさんずろ家さんでは、出発間際に女将さんから、ぜひ震災時の話を聞いていってほしいとのことも・・・。大槌から宮城県気仙沼市まで、三陸海岸を南下し、途中、安渡分館長関さんのふるさと、釜石市唐丹地区本郷を訪れ、明治、昭和、平成の津波の碑を見ました。
大人は忘却の彼方になってしまうことも、子どもに対してのメッセージとして、100回訓練して、津波が来なくても、101回訓練しようと書かれていました。陸前高田の”奇跡の一本松”を左側に見て、各地域の状況を窓越しに目にしました。
最後に訪れたのは、唐桑半島にある唐桑ビジターセンター内の津波体験館です。
館長の小松さんからも、震災当時の様子を伺いました。様々な方々から、その当時の話を聞きました。三陸の人々の暮らしは、世界三大漁場といわれる海からの恵みと、再三にわたり、陸地を襲う地震、津波との共存です。防潮堤があっても、忘れてはいけないのは、高台に逃げるということ、自分の命を守ることだと繰り返しお話しいただきました。
今回ご参加いただいた方からの声を掲載させていただき、筆を置くことにします。また大槌が恋しくなったら、一緒に行きましょう。
- 津波の記憶は思い出すのもつらいはずなのに、とても真剣にお話してくださって、ありがとうございましした。(32歳 男性)
- 地震、津波を体験され、3年間。その場所で、またいつ来るかも知れない恐怖と向かい合いながらも、自分の生まれ育った場所を愛されているんだなって、それをまた後世に伝えていこうとしている姿勢に、頭がさがりました。(49歳 女性)
- 手作りの貝の小物ありがとうございます。私のバックのお守りになっています。ご主人様の手作りの刺繍されたお布巾は、ボランティアしております食事会で使わせていただいています。何よりお二人、安渡の方々の笑顔がうれしかったです。皆さんが東京の私たちのことを心配してくださり、びっくりと感謝です。(67歳 女性)
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