「あなたも、『何かあったら声をかけてね』という仲間になってください」
「地域のネットワークで虐待を起こさない、起こさせない」をキーワードに、
平成25年度にピアサポートネットしぶやが取り組んできました、
独立行政法人 福祉医療機構社会福祉振興助成事業である、
【養育困難な子と家族のネットワーク支援事業】の報告書が完成しました。
より多くの方々に今回の取り組みを知って頂き、
そして一人でも多くの方にこの取り組みへ参加して頂きたいと考えています。
以下、報告書1ページより引用
あなたも、何かあったら声をかけてね、という仲間になってください。
平成24(2012)年、児童虐待の摘発件数は過去最多で、
中でも心理的虐待が過半数を占めたことを警察庁が発表しました。
その背景には、少子化や一人親家庭の増加、地域に相談する人がいないなどが挙げられます。
子どもの養育に不安を感じている家庭が少なくありません。
さらに、不登校や中退者、ひきこもり等の若者の中に、
思春期に表面化する発達障害などの精神疾患が放置され、
ネグレクトに移行しやすいこと、
また、受験の加熱の中で起こる教育虐待が、
後のひきこもりにつながる場合が多いこと等が挙げられます。
ところが、このような心理的虐待は見えにくく、
行政や、専門機関、支援機関の連携だけではよりよい支援が難しく、
社会的孤立の中で起こることから、地域の多様な関わりが求められます。
ピアサポートネットしぶやは、渋谷区内で、民生委員や保護司、青少年委員、
人権擁護委員等の参加を得て、中高生の居場所づくりを15年にわたって行ってきました。
また、乳幼児の遊び場や、読み聞かせ、プレーパークを運営している団体等との連携も深めてきました。
そこで、今年度は「生活圏の中に地域の多様な力を集めてネットワークで、
虐待を起こさない、起こさせない取り組みを通して、
支え合いが生まれるコミュニティをつくること」を目的に、
当法人を中核団体と位置づけ、それぞれの団体の持ち味を生かしながら連携し役割分担をし、
「養育困難な子と家族のネットワーク支援事業」に取り組みました。
特に事業実施に当たり、3つの事業に重点をおきました。
一つ目は、乳幼児期から20代までの本人とその家庭を、発達段階で途切れず、
それぞれの団体等が分担して支援すること、
二つ目は、家族意識や養育観が変化し孤立しがちな状況があることから「集まる場」を各地域につくること、
三つ目は、子どもや家族のもとへ出向き(アウトリーチ)、
寄り添うことができる若者と地域の支援員を養成することでした。
この取り組みの最中、渋谷区内にあるマンションで、同居していた仕事仲間が、
口をふさぐなどの暴行で乳児が無くなったとの報道がありました。
無力さ、憤り、とても残念な気持ちになりました、悔しさがこみ上げてきました。
このような悲劇が繰り返されないように、
「虐待を起こさない、起こさせない渋谷のネットワーク」をさらに浸透させていきたいと考えています。
この報告書を通じて、一人でも多くの方々に、
「何かあったら声をかけてね」
という仲間に加わって頂くきっかけになることを期待しています。
理事長 相川 良子
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