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農業についてお話を聞きました

今回千葉で有機栽培の農業を営む方(上田さん)にお話をうかがいました。

当日はあいにく曇り空でしたが駅を出てしばらくすると海が見えてきて開放感を感じました。(途中にはディズニーランドも見えたり)

到着すると駅まで出迎えて頂き、車に乗って畑やトマトハウスなどを見せて頂きました。

その方は農業についてご自宅で同業の方を呼んで勉強会やセミナーを開くなど、肥料の研究などにも熱心な方で、

竹を肥料にする事で植物の発育を通常よりも促進させるという話もお聞きし、

その竹を加工するのにも苦心されたようで色々な機械も見せて頂きました。

同行者の方によると有機栽培のトマトを拝見する予定でしたが

トマトというのは日照時間が相当必要なもので、寒くなるとハウスで暖房を使って育てるらしいのですが事情によって今のところ栽培を少し中断しているとの事でした。

しかし苗木に残っていたトマトをいくつか食べさせて頂きましたが、中まで赤く、みずみずしくておいしかったので同行メンバーで何個も頂いてお土産にしました。

ご夫婦で営業しているレストランで有機野菜やごまのごはん、黒米の手打ちうどんなどの昼食をとり、

その後、これからの農業と社会、若者の雇用や人間の価値感について語って頂きました。

内容は、

「日本という国は戦後、まったくのゼロの状態からとにかく先進国に追いつけ追い越せの勢いで国民全員ががむしゃらになって国と自分の生活を豊かにするために産業を興してきた、

しかし現在、その反面、物質的な豊かさは得たものの第一次産業としての工業は手一杯になってしまっており、

景気の悪化やそれからの立ち直りとは言うが、既に立ちゆかなくなってしまっているものにしがみついているのは駄目なんじゃないか、

仕事のない者が都会で仕事を求めたところでせいぜい事務や工場、表面的な作業としての仕事しか無い、

今という時代は、全くもって人間としての心の豊かさを失ってしまっている。

近年見られる希薄な人間関係や若者の雇用問題などもそういった所に起因しており、

ただの物的豊かさを求める価値観ではなく、農業など自然に関わる事で心の豊かさを得ようではないか。

そしてこれからの農業は力任せにおこなうのではなく、自分の創意工夫で研究し新たな発見を見つけ、頭を使ってやっていくんだ。」

という考えを持って20年ほど前から都会から千葉に移り農業をはじめられ、ご自身のお持ちの畑やノウハウなど、場(スペース)と技術を提供して若者の農業参加を推奨するなど、NPO法人としても活動していらっしゃる方です。

余談ですが、実益としても、

「自分で自分の食べるものを栽培して採って調理して食べているから何かあっても困らないよははは」とも仰っていました。

御年82歳ですが

「これからまだまだやりたい事がありすぎて120歳まで生きるんだ」

というパワフルな方で、その内面の強い意欲の顕れが外に影響しているのでしょう、

またそれだけではなく、実際に自然の中で身体を動かし、ご自身の育てた有機野菜を召し上がっているからでしょうか、

背筋がピシッとして動作もきびきびと若々しく、矍鑠(かくしゃく)としていらっしゃいました。

まさに、旧弊精度の打開を目指す幕末の志士のような方で、力強く夢を追い求める姿に感銘を受けました。

記念写真を撮り、

そして、別れ際に若者の農業への参加という事で

「しばらくやってみない?ログハウスに泊まりに来なよ」というお誘いを頂戴しました。

分野を問わず、先駆者や経験豊かな先輩から知識と技術を伝授してもらい、また次の人々や次の世代へと引き継ぐというのは重要な事だと思いますし、

「自然の中で生き、自然に生かされ、自然と共存することで人間の価値を見つめる」という上田さんの考え方にも同感で、真理であるとすら思います。

そういったお誘いを受けるのは大変光栄ですし、飛び込んで体験することで何かが開けていくでしょうし、自分が考えている以上に幸せな事なんだと思います。

さてさて私にその覚悟があるのかどうか・・・。

玄関脇に置いてあった、竹を肥料にして育てた花。きれいですよね。

公開日:2009年12月10日