今回も天候に恵まれ、スムーズに大槌に来ることができました。日本海側で雪を降らせた冷たい空気が流れ込み、日差しはあるものの、痛いぐらいの冷たさを感じます。今回は前回行われた交流会で人気だった「せんべい焼き」についての聞き取りがメインでした。もともとあったのはイカの姿を模した型で、現在使用されているのは、支援に訪れている東京大学から寄贈されたものだそうです。
安渡公民館にお邪魔して、関館長や佐藤さん、黒沢さん、自治会長の佐藤さん、OYCPからお話しを聞かせてもらいました。
自治会長の佐藤さんからは、イカの姿を模した型は地元の和菓子さんから廃業するのを機に譲り受けたものだそうで、古くは南部せんべいのような円形の型だったそうです。しかしながら今の高校生世代を含めて、親しみがあるのがイカ型とのことでした。この型とともに大事にしているのがせんべいの生地づくりだそうです。生地も独特の調合方法があるらしく、安渡地区伝統の味といえるかもしれません。内陸では円形、沿岸部(三陸)では広くイカ型だったようです。鋳造工場から情報を得て復活を期したそうですが、鋳型も見つからず、ゼロからだと費用も高くつくため、計画は頓挫したとのことでした。
前回の交流会では、地域の方々がイカのせんべい焼きの話をされていたので、とても気になっていました。皆さんが笑顔になってもらえたらいいなと思い、このイカのせんべい焼きを復活できたらいいなと思っています。情報を収集しながら、費用を算出して、皆さまのお力添えをいただければと思っています。
今回、自治会長の佐藤さんからはいろいろなお話しを聞くことができました。特に漁業組合で長くお仕事をされていたこともあって、大槌の漁業に関することをお聞きすることができました。宮古市や普代村で特産物になっている「すき昆布」はもともと大槌で行われていたそうです。またイカ釣り漁船の自動網あげ機や操舵室の体裁は、大槌から発信されたとのことでした。漁協も津波の影響を受け、書類等が消失してしまったなかで、歴史を知る方々の声をしっかり後世に伝えていくことも大切なことと改めて思いました。
関館長からは、ボランティアも訪れる人も少なくなるなかで助かっていると感謝されました。自分は館長だが、地域の人は距離が近すぎて話を聞いてあげることができないとおっしゃっていました。外から来る人にはしがらみがないので、地域の人はその人を捕まえて、話をし出すと機関銃のようにどっと言葉がわき出してくる。そういうことができれば、気持ちが救われると思うとのことでした。まだまだ寒い時期は続きますが、大槌にお邪魔させていただいて、老若男女をとわず、多くの方々と時間を過ごしたいと思います。
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