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大槌便り 第13章:大槌町安渡地区慰霊祭 〜かもめが翔んだ日〜

この日は、大槌町安渡地区慰霊祭に参加するため、急きょ大槌を訪れることになりました。3月3日は既に日程が埋まっていたこともあり、上野から夜行バスで大槌を目指すことにしました。

早朝、ローソンで日本一の売上げを誇る大槌バイパス店で、朝食を取り、関さんに連絡を入れて、待ち合わせをしていました。先週は大変な思いをして大槌に来ましたが、今日は道中雪が舞うこともありましたが、大槌は晴天でとっても清々しい朝でした。関さんとお会いし、「いい天気ですね」というと「たくさん来て欲しいな」「北上からうちのも来るんだ」と心なしか言葉が弾んでいた。

会場の小学校は朝から忙しく、黙祷時に使う半鐘がとどきセッティングされます。花巻結っこの皆さん、パレスチナ子どものキャンペーンさん、もりおか・いわて若者サポートステーションさん、ぐるっと大槌さん、東京大学さんなどなど、いろいろな方々が集い、豚汁、おにぎり、焼きそば、綿あめ、フライドポテト、駄菓子など縁日のような雰囲気になっていました。

9時半を過ぎたことから、多くの人が小学校にやってきていました。関さんは陣頭指揮に立ち、大忙し。関さんがいつも居る館長室?にいた私にはいろいろな要望が飛び込んできました。駐車案内するための表示を作ってほしいとか、はさみやガムテープなどの備品とか、勝手したるとまでは行きませんが、なんとなく勘も使って、どうにか十分とはいえませんが、滞りなく進めていたかとも思います。

10時が過ぎ、開会がはじまり、続いて地区の郷土芸能の雁舞道七福神会や安渡虎舞保存会の皆さんが披露してくれました。昔から慣れ親しんでいる地区の皆さんの目が、お囃子に乗って、力が入ってくるのがわかりました。ライブで見るのは初めてでしたが、とても素晴らしい伝統です。

関さんが孫を抱っこしてそれぞれの踊りを見せていました。関さんだけではなく、子どもから大人までが参加して、世代のつながりを感じました。関さんが近づいてきて徐に「やっぱりいいよな」とつぶやいたのが印象的でした。

講堂ではビデオ鑑賞もしていました。13時からは講堂でカラオケを楽しむ会が開催されることになっていました。関さんから「石川さんも1曲っ!」とハッパをかけられていました。

13時を回り、講堂に行ってみると、パレスチナ子どものキャンペーンの三原さんが歌うところでした。「三原さんも歌っているし、俺もこれは歌わなきゃ」という気持ちになりましたが、何を歌うかで頭の中は堂々巡りでした。

ふと横須賀出身なのだからと頭によぎって、渡辺真知子の「かもめが翔んだ日」が浮かびあがりました。関さんが身近な情報を届ける「公民館だよりを復活させたい」と話してくれたことも思い出しました。たしその公民館報の名前が「カモメ」。

安渡地区とも関係があるからと、勝手に思い、「かもめが翔んだ日」を選曲しました。歌うことに意味があったので、できばえはともかく、歌詞を目で追っていくうちに、なんか気持ちが高まって、思いっきり歌ってしまいました。

本当は、安渡の皆さんと2時46分の黙祷に参加したかったのですが、この日は盛岡まで戻るしか方法がなく、一足先に出るしかありませんでした。翌日、宿舎で手に取った岩手日報の一面に黙祷する姿を見て、その場に居たかったという気持ちが沸き起こってきて、何となくひっかかりがありました。

6月から同行している相川理事長から、「関さんの思いに一番届いたのは、石川さんだったね」という言葉をいただいて、気持ちが楽になりました。

公開日:2012年6月21日